こんにちは、工芸と心地よい暮らしを探すメディアontowaです。
8月25日より青森県先行公開、9月1日に全国公開を迎える映画「バカ塗りの娘」は、当メディアの注目作品「心地よかったと思える映画」として紹介させていただいています。
これまでの記事は👉 映画バカ塗りの娘
また、「津軽塗」のことを知らなかったけど興味が湧いてきた方には、当メディアの記事「バカ塗りこと津軽塗の魅力」もオススメさせていただいています。（本記事は映画全国公開まで無料公開とさせて頂いております。）
さて、この度、主演の堀田真由さんと鶴岡監督が、『バカ塗りの娘』を全編撮影した青森で青森県知事を表敬訪問、さらに青森県公開記念舞台挨拶に登壇した様子が届きましたので、ご紹介させていただきます。
コンテンツの内容
映画の公開を記念して、主演を務める堀田真由さんと鶴岡監督が、全編を撮影したロケ地・青森県を訪れ、宮下宗一郎青森県知事を表敬訪問、更に青森市内の劇場にて舞台挨拶に登壇しました。
青森県知事を表敬訪問
堀田さん、鶴岡監督、さらに盛夏子プロデューサーは、8月25日(金)、本作の舞台となった青森を訪れ、県庁を訪問し、映画『バカ塗りの娘』の魅力や、青森の印象を語りました。
約1年前に撮影された本作は、全編を青森県・弘前市で撮影。劇中では、青森の四季折々の風景や、地元の郷土料理、そこに生きる人々の魅力がふんだんに盛り込まれています。
宮下宗一郎青森県知事との対面に、堀田さんは「青森の皆様に支えられて出来ました。決して派手な作品ではないですが、静かな中に熱いものがあり、観ていて心地よかったと思える作品です」とPR。
鶴岡監督は「津軽塗の素晴らしさをそのまま映画にしたいと思いました。津軽塗の工程は、手作業だけの時間をじっくり見てもらえるように作っており、皆さん、そこを楽しんでいただけているようです。」と本作へのこだわりを語りました。
また、盛夏子プロデューサーは「昨年9月に約3週間、青森県に滞在して撮影しました。津軽塗をテーマに、何でもなかった女性がこれから歩んでいく道を見つけていく物語です。映像を早送りで見ることが増えている今、映画館でじっくり観る意義を考えられる作品になっていると思います」と話されました。
宮下宗一郎青森県知事は「古津軽を色んな場面で広めていこうとしていたところなので、津軽塗をテーマにした映画を作っていただき感謝しています。自分たちの伝統工芸がこれだけすごいと誇りを持ってもらえるよう広めていきたいと思います。心から応援します」と応じました。
青森県公開記念舞台挨拶レポ
同日夜には、青森松竹アムゼにて、青森県公開記念舞台挨拶が行われました。
上映が終わると満席の会場からは大きな拍手が沸き、MCを務めるジョナゴールドさんが、堀田さんと鶴岡監督を呼びこむと、さらに大きな拍手が巻き起こりました。
全国に先駆けて青森での先行公開を迎えた今の気持ちを聞かれた堀田さんは「本当に嬉しいです」と挨拶。
客席に向かって「いかがだったでしょうか？」と呼びかけると、観客の皆さんより大きな拍手が。
拍手を受けて堀田さんは「地元の方々に観て頂くとなると、方言や津軽塗のシーンが大丈夫かな、と不安も大きかったのですが、温かい拍手をいただけてなんだかほっとしています。」と安心した様子。
鶴岡監督も「撮影から1年間、公開に向けて準備をしてきた中で、青森の皆さんにはずっと応援し支えて頂き、一緒になって作ってきたので、今日スクリーンで映写されているのを観て、ついに作品が巣立ったなと少し寂しい気持ちです。これからは作品を通じて皆さんと出会えることが嬉しい」と青森、そして封切した作品への想いを明かしました。
監督がこだわった津軽塗シーン
本作の見所の一つであり、監督がこだわった津軽塗シーンの撮影について「シーンごとに津軽塗職人の皆さんから指導を受けて、すぐに撮影を繰り返しながら進めていた」と堀田さんが撮影を振り返ると、現場でその様子を見たジョナゴールドさんは「津軽塗シーン撮影の緊張感と集中力に驚いた。」と明かしながら、「青森の伝統工芸をこんなに大切に扱ってくれる人たちでよかった！という安心感があった。」と青森県人としての想いを話しました。
鶴岡監督は「津軽塗指導の津軽塗職人のお二人に完全にチームの一員になっていただいた。お二人がずっと明るく現場を支えて下さった。」と感謝を述べました。
一方堀田さんは、職人見習いの役どころながら、朝から晩まで練習し続けたことで「難しくもあるが、やっていると楽しくなってきてしまい、どんどん上手くなってしまった。」と意外な苦労も明かしました。
小林薫さんと演じた親子の関係について
小林薫さんと演じた親子の関係についてきかれると堀田さんは、「普段は面と向かって話せない二人を、私自身ももどかしくもあり、愛おしいなと捉えていましたが、津軽塗のシーンでは、言葉はないのに、二人の会話がきこえてくるようで、津軽塗を通して繋がっているように感じながら撮影をしていました」と。
撮影の合間も、演技についての話ではなく「昨日何食べました？」「何時に寝ました？」など、小林さんと本当の父娘のようなコニュニケーションをとっていたことを明かし「それが全て作品に出ているのではないかな」と語られました。
また鶴岡監督は「家族だからこそ、お互いの中にある恥ずかしさや言い出せなかったことがある、その様子を描きたかった。」、「堀田さんと小林さんの佇まいだけでも最初からその説得力を感じたが、終盤の二人のシーンでは特に、小林さんの自然な演技に現場がつつまれる感じだった」と振り返りました。
お気に入りのシーンは？
特にお気に入りのシーンをきかれた堀田さんは、「どの瞬間も」と話しながら、家族全員が集まる終盤のシーンを挙げ、撮影が長かったために、何度もいがめんち（青森の郷土料理）を食べたエピソードなども明かしました。
ジョナゴールドさんはお気に入りのシーンとしてラストシーンを挙げ「青森県民にとって馴染みのある大事な場所で、親子の絆が見えたところがとても大好き。」と熱く語っていました。
その上で、美也子を演じた堀田さんに、家族との向き合いや挑戦していく美也子の気持ちをどのように演じたかを尋ねると堀田さんは、小林薫さん演じる父親と堀田さん演じる美也子が喧嘩をするシーンを境に「彼女にとって、とっても大きな1歩を踏み出したあとは、そこにかける情熱みたいなものをどんどん出していけたらいいなと思って演じました。」と答え、同じシーンについて鶴岡監督は「誰に頼まれるわけでもなく、ただ自分がやりたいと思いついたことを実現させていくことの正しさを、美也子の挑戦を通して描きたかった。なにかモノを作ることに向かっていくことを真っ直ぐに描くことが、私の挑戦でもあった。」と話し、その想いがタイトルにも繋がっていると明かしました。
劇中での津軽弁について
劇中での津軽弁について、堀田さんは「大丈夫でしたか？」と観客に尋ねると大きな拍手が。
練習の様子をそばでみていたジョナゴールドさんは「大変そうだな」と思ったと明かしつつ、感情を出す時に「イントネーションが低いところから始まっていくのが難しい。」という堀田さんの言葉を聞いて、普段から津軽弁の自身からすると「不思議だな。」と思ったと。
「でも本当に自然な津軽弁でしたよね！」と観客の拍手と共に、堀田さんに賛辞を贈った。
サプライズプレゼントは津軽塗のお椀
舞台挨拶の最後、ジョナゴールドさんからサプライズプレゼントがあることを伝えられた堀田さんと鶴岡監督は、「台本になかった！」と驚きの様子。
撮影で実際に津軽塗の指導をした職人さんたちからと、ジョナゴールドさんからお二人に津軽塗のお椀が贈呈されると、喜びをあらわに。
実際にお椀を眺めながら「本当に美しいです」（堀田さん）とコメント。
堀田さんは、撮影の時に購入したお箸とスプーンを今も使用していることを明かし「生活が豊かになった気持ち」と使っている感想を伝えつつ、新たにプレゼントされたお椀を家に迎えることを喜んでいました。
心地よかったなと思える映画
最後にジョナゴールドさんが「青森県人として、青森を舞台にした作品に携わることができてとても幸せに思います。青森県先行公開ということもあり、青森が先頭に立って、全国でこの作品を盛り上げていけたら」と意気込みを見せると、堀田さんは「塗っては研いでを繰り返す津軽塗のように、1カット1カット、ひたむきに丁寧に、撮影に臨ませていただきました。青森での公開を迎えて改めて、青森の皆さんにご協力いただいて完成した作品だと思いました。とても静かな作品ですが、観終わった後に、私自身も心地よかったなと思える1本。こういう映画って必要だよなぁと思ってもらえる作品になっていると思う。」と話し、観客へ来週からの全国公開に向けての応援を呼びかけました。
本作を鑑賞した青森の観客からは「津軽塗のシーンがとにかく素晴らしい」「心に沁みる作品」「それぞれの登場人物が踏み出す姿に私も勇気をもらった」など本作を絶賛する感想が寄せられており、9月1日の全国公開に向けて期待が高まります。
【青森県知事表敬訪問／青森県公開記念舞台挨拶 概要】 ◎2023年8月25日（金）青森県知事表敬訪問 時間：午後4時40分から午後4時55分まで 場所：青森県庁 第3応接室（青森県青森市長島一丁目1-1） 訪問者（敬称略）：堀田真由（25）、鶴岡慧子監督（34）、盛夏子プロデューサー ◎2023年8月25日（金）青森県公開記念舞台挨拶 時間：午後8時40分から午後9時10分まで 会場：青森松竹アムゼ（青森県青森市緑3-9-2 サンロード青森アムゼ内） 登壇者（敬称略）：堀田真由（25）、鶴岡慧子監督（34）MC：ジョナゴールド（31）
映画の全国公開は、2023年の9月1日から、青森県は8月25日より絶賛公開中です。
舞台挨拶で堀田真由さんがおっしゃったように、
私たちも「心地よかったと思える映画」として、映画「バカ塗りの娘」を推してまいります。
本作品との出会いをキッカケに、日本の漆芸、工芸にも興味を持っていただき、楽しんでいただけたらと思っています。
本作品が一人でも多くの方に届きますよう、一緒に盛り上げてまいりましょう。
映画「バカ塗りの娘」
2023年9月1日（金）全国公開 / 青森県にて絶賛先行公開中
【ストーリー】
「私、漆続ける」その挑戦が家族と向き合うことを教えてくれた――
青木家は津軽塗職人の父・清史郎と、スーパーで働きながら父の仕事を手伝う娘・美也子の二人暮らし。家族より仕事を優先し続けた清史郎に母は愛想を尽かせて出ていき、家業を継がないと決めた兄は自由に生きる道を選んだ。美也子は津軽塗に興味を持ちながらも父に継ぎたいことを堂々と言えず、不器用な清史郎は津軽塗で生きていくことは簡単じゃないと美也子を突き放す。それでも周囲の反対を押し切る美也子。その挑戦が、バラバラになった家族の気持ちを動かしていく――。
【クレジット】
堀田真由／坂東龍汰 宮田俊哉 片岡礼子 酒向 芳 松金よね子 篠井英介 鈴木正幸
ジョナゴールド 王林／木野 花 坂本長利／小林 薫
監督：鶴岡慧子 脚本：鶴岡慧子 小嶋健作
原作：髙森美由紀「ジャパン・ディグニティ」（産業編集センター刊）
企画プロデュース：盛 夏子 プロデューサー：遠藤日登思 松岡達矢 福嶋更一郎
ラインプロデューサー：大川哲史
撮影：髙橋 航 照明：秋山恵二郎 録音：髙田伸也 音響効果：齋藤昌利 美術：春日日向子
装飾：松尾文子 衣裳：藪野麻矢 ヘアメイク：光岡真理奈
編集：普嶋信一 音楽：中野弘基 スクリプター：押田智子 スチール：蒔苗 仁 助監督：栗本慎介
製作：「バカ塗りの娘」製作委員会 制作プロダクション：アミューズ映像企画製作部 ザフール
配給・宣伝：ハピネットファントム・スタジオ
(C)2023「バカ塗りの娘」製作委員会
2023年/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/118分
公式サイト：https://happinet-phantom.com/bakanuri-movie/
公式Twitter：@bakanuri_movie
公式Instagram：@bakanuri_movie
