二百十日・二百二十日 – 日本の雑節を楽しむ –

主に農業の時期の目安として伝わってきた日本の雑節のひとつ、「二百十日(にひゃくとおか)」は、立春から数えて二百十日経つ頃にあたります。およそ九月一日ごろであり、古来から日本列島に台風が来襲する頃として知られています。

稲が開花する頃と台風の風水害が起こる季節が重なり、海もしけて漁に悪影響が出るため、農家や漁師にとって二百十日は厄日です。そのために、日本各地の神社では風鎮祭(風祭り)が行われることも。

近年では気候変動の影響で海面水温が上がり、台風が強い勢力を保ったまま日本列島に上陸することが増えているといいます。

二百二十日は、「三大厄日」の一つとして知られています。

三大厄日とは、「二百十日」、「二百二十日」、そして「八朔(はっさく)」のことを指し、これらの日は災厄が起こりやすいとされ、新たな事を始めるのを控える風習があります。

今回は、この二百十日、二百二十日について学び、家の中でもできる限り心やすらかに居られるよう、台風の日に心地よく過ごす方法についても考えてみましょう。

0 Shares:
You May Also Like
続きを読む

節分 – 日本の雑節を楽しむ –

鬼は外、福は内、と、元気な子供の声が聞こえる時期ですね。 大人も「恵方巻きを食べる日」として毎年この日を迎えているのではないでしょうか。 豆を撒いて厄を払い、福を招く節分の風習は、日本のイベントとして今も親しまれています…
続きを読む

お屠蘇 −日本伝統の邪気祓い −

日本には、伝統的な厄除けや邪気祓いの風習があります。古い習慣というと、まるで「スピリチュアルで現実味のないもの」に思われがちですが、実際のところ健康面や衛生的に意味のある風習も多いです。 たとえば、そのひとつに「正月にお…
続きを読む

重陽の節句 – 日本の節句を楽しむ –

奈良時代に伝わり宮中行事として始まった、季節の行事である五節句。一年に5回あるなかで、最後の節句となるのが9月9日の重陽の節句(ちょうようのせっく)です。 桃の節句で桃の花の鑑賞をする、また端午の節句で菖蒲湯の薬効を得る…
続きを読む

人日の節句 – 日本の節句を楽しむ –

古代中国から伝わりし風習である「五節句」のなかで、一年のはじめに行われるのが「人日(じんじつ)の節句」です。桃の節句や端午の節句とくらべてあまり馴染みのないもののように思われがちですが、「七草粥を食べる日」といえばきっと…
続きを読む

「水」と共に暮らす日本の文化

すべてのいのちの源である、水。 人間の体は約60%が水分と言われており、私たちは日々、水の恩恵を受けて生きています。 洗うための水、飲むための水、料理するための水。私たちの暮らしに欠かせない水は、昔からさまざまなかたちで…
続きを読む

半夏生 – 日本の雑節を楽しむ –

日本独自の雑節の一つ、半夏生(はんげしょう)は、日本の農作業の目安として独自に生まれた雑節の中でも珍しく、七十二候の「半夏生(はんげしょうず)」に由来しています。 半夏生は、毎年6月22日ごろの夏至から数えて11日目、7…