入梅 – 日本の雑節を楽しむ –

日本の暦に合わせて作られた暦日である雑節のひとつ、入梅(にゅうばい)。

気象上では「梅雨入り」といい、私たちにとって馴染みにある言葉になります。

その名の通り、季節が梅雨に入る頃を知らせる暦日で、太陽暦では毎年6月11日ごろにあたります。

旧暦では、二十四節気の第九、芒種から数えて初めの壬(みずのえ)の日と定められていました。

梅雨は「ばいう」とも読み、語源は「黴(かび/ばい)をもたらす雨」を意味する「黴雨」であったと言われていますが、梅が熟す頃の雨を意味する「梅雨」の方が、より日々に喜びをもたらしてくれるような語感ですね。

じめじめとした天気が続く頃はなんとなく気分も沈みがちですが、昔から伝わる知識や、季節に応じた過ごし方から、雨の季節を心地よく過ごすヒントを探してみましょう。

0 Shares:
You May Also Like
続きを読む

節分 – 日本の雑節を楽しむ –

鬼は外、福は内、と、元気な子供の声が聞こえる時期ですね。 大人も「恵方巻きを食べる日」として毎年この日を迎えているのではないでしょうか。 豆を撒いて厄を払い、福を招く節分の風習は、日本のイベントとして今も親しまれています…
続きを読む

「水」と共に暮らす日本の文化

すべてのいのちの源である、水。 人間の体は約60%が水分と言われており、私たちは日々、水の恩恵を受けて生きています。 洗うための水、飲むための水、料理するための水。私たちの暮らしに欠かせない水は、昔からさまざまなかたちで…
続きを読む

お屠蘇 −日本伝統の邪気祓い −

日本には、伝統的な厄除けや邪気祓いの風習があります。古い習慣というと、まるで「スピリチュアルで現実味のないもの」に思われがちですが、実際のところ健康面や衛生的に意味のある風習も多いです。 たとえば、そのひとつに「正月にお…
続きを読む

重陽の節句 – 日本の節句を楽しむ –

奈良時代に伝わり宮中行事として始まった、季節の行事である五節句。一年に5回あるなかで、最後の節句となるのが9月9日の重陽の節句(ちょうようのせっく)です。 桃の節句で桃の花の鑑賞をする、また端午の節句で菖蒲湯の薬効を得る…
続きを読む

彼岸 – 日本の雑節を楽しむ –

お彼岸とは、年に2回、春と秋に訪れる期間であり、先祖のお墓参りや仏壇の手入れをしたり、おはぎ、ぼたもちを食べる日としても知られています。 彼岸は「川の向こう岸」を意味する語でもあり、三途の川を挟んだ川岸、つまりは「あの世…