人日の節句 – 日本の節句を楽しむ –

古代中国から伝わりし風習である「五節句」のなかで、一年のはじめに行われるのが「人日(じんじつ)の節句」です。桃の節句や端午の節句とくらべてあまり馴染みのないもののように思われがちですが、「七草粥を食べる日」といえばきっと合点がいくでしょう。

実はこれらのような節句は、中国ではもともと五節句の他にも多く定められており、平安時代には「節会(せちえ)」として貴族の間で、いわゆるパーティーの文化として親しまれていました。そして時が流れて江戸時代ごろになると、節句の中から幕府が五つを選び、日本の公式行事としたのです。

とはいえ、人日の節句については「七草粥を食べる」以外の風習や、まつわる歴史などについては、あまり知られていないものかもしれません。今では季節になるとスーパーなどで「七草粥セット」が売られるようになりましたが、昔の人は冬の野山に分け入って、それぞれの若葉を手ずから摘み取ることもこの風習の一部でした。

平安時代から続く日本の風習、人日の節句の行事について、後世に伝えるためにもいくらかの知識を手に入れてみましょう。まずはその歴史から紐解いていきます。

0 Shares:
You May Also Like
52a3c066e120ff2afce514514aa85a00 画像
続きを読む

半夏生 – 日本の雑節を楽しむ –

日本独自の雑節の一つ、半夏生(はんげしょう)は、日本の農作業の目安として独自に生まれた雑節の中でも珍しく、七十二候の「半夏生(はんげしょうず)」に由来しています。 半夏生は、毎年6月22日ごろの夏至から数えて11日目、7…
8c13c26b678498b5ed88d6a2539bb220 画像
続きを読む

日本伝統の正月飾り – 年神様の迎え方 –

12月といえば、現代っ子にとってはクリスマスがイベントの中心。しかし、本来の日本の伝統的な12月の風習や行事といえば、「煤払い(大掃除)」や冬至、そして年越しです。 13日の煤払いが終われば、門松やしめ飾りなどの正月飾り…