季節とうつわ – 啓蟄(けいちつ)-

3月に入り、長かった冬がようやく去っていくころ。寒さに凍えて冷え切っていた土も、春の暖かな雨に解かされてやわらぎ、草木や花々がまた新しく芽吹いたり、つぼみをつけ始めました。

二十四節気の第三番目である「啓蟄(けいちつ)」と読み、冬籠りの虫が這い出てくるころ、という春の季語でもある語。3月5日ごろから春分の前日までの期間であり、春爛漫の一歩手前、くらいの時期です。

ひとつ前の「雨水」にて、春に向けて準備をしていた生き物たちですが、季節が「啓蟄」へと移れば、地中で眠っていた虫たちも活動を再開し、かたく結んでいた蕾も花開きます。

このころには一雨降るごとに暖かくなるといわれ、冬眠から目覚める虫たちとは裏腹に、冬のコートはだんだんとクローゼットに籠るようになるでしょう。

私たちも新生活に向けてはりきる時期ですね。一日ずつ変わる春の気配を感じてみましょう。

0 Shares:
You May Also Like
2901ff68e4c071fab25d36177333b7dd 画像
続きを読む

季節とうつわ -小寒(しょうかん)-

年が明け、1月5日の仕事始めの頃、二十四節気は最後から二番目の「小寒(しょうかん)」へと入ります。 時期でいうと年始ではありますが、昔ながらの季節の周期では一巡まであと少しということです。もう十分に寒く、所によっては雪も…
3e5a8987bc3d0bc59d85fab866664341 画像
続きを読む

季節とうつわ -立冬 (りっとう)-

11月7日ごろの「立冬」から2月4日ごろの「立春」までの間、日本の季節は冬を迎えます。 立冬の中の三つの七十二候には、冬の花にちなんだ区分が二つも含まれています。北風が運んで来る寒さも、より一層冷え冷えとする時期に思えま…