「海を超えてきた青」瑠璃色の秘密

金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、硨磲(しゃこ)、珊瑚(さんご)瑪瑙(めのう)。これらは「無量寿経」という仏典に示された、7種類の宝です。(法華経では金、銀、瑠璃、瑪瑙、硨磲、真珠、玫瑰(まいかい)となります。)

この中に含まれる「瑠璃」とは、別名「青金石(せいきんせき)」、またラピス・ラズリと呼ばれる宝石のこと。はっとするような深い青に金色の粒が散りばめられた、まるで星空のような美しい宝石で、また仏教において仏の髪の色は、このような青い「瑠璃色」であるといわれています。

西洋では、贅沢にも砕いて粉にし、絵の具として使われることも。フェルメールの絵画『真珠の首飾りの少女』にラピスラズリから作られた「ウルトラマリン」という青い色が使われているのは有名な話ですね。

この「ウルトラマリン」という名前は、「海の彼方」という意味の語でもあります。時には金よりも高価であったこの色は、日本にとってもまた貴重な色です。

今回は、この「瑠璃」という色について、詳しくみていきましょう。

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