やきものは、太古の昔から食器や水を汲む容器として使われ、人々の生活の中で発展してきました。
時代を経るごとに、釉薬が生まれてより耐水性を高め、高温焼成の技術が生まれればより強度の高い陶磁器を作れるようになりました。
日本の伝統的な陶器の中でも、特に堅牢性の高さで知られるのが島根県石見地方で作られている石見焼(いわみやき)です。
材料となる地元の都野津層粘土は、磁器のようにきめ細やかで耐水性、対酸性に優れており、高温焼成によって非常に硬質に仕上がります。
石見焼は、まだ水道の普及していなかった時代に「はんど」と呼ばれる丈夫で大きな水甕(みずがめ)を各家庭に送り届けていたことでも有名です。
今回は、この中国地方の伝統陶芸である石見焼について、その歴史や魅力を掘り下げてみました。