日本には古来から「アニミズム」といわれる、万物に霊が宿るとする考え方があり、その思想を代表する逸話に「付喪神(つくもがみ)」という存在が挙げられます。付喪神とは古道具に宿るという神や霊のことで、昔の日本人は「百年使い続けた道具には魂が宿る」と信じていました。
このように、「もの」に対し人格を付与する、つまり「擬人化」をすることは、「刀剣乱舞」をはじめとした近年の人気作品にも登場する、魅力的な考え方ですよね。
もし、自分が持っている道具を何年も何十年も大切に使い続ければ、おとぎ話と同じように神や霊なるものが宿ると思うと、好きな道具を持ち、手入れをしながら「育てる」ことに、さらに喜びを感じるようになるかもしれません。
今回は、私たちの暮らしの中の道具と、そこに宿るという「付喪神」を学び、そこから心地よい暮らしを探してみました。