「もの」と「たま」 その1

ある時、古い着物や雛人形などにある、日本の文化独特の雰囲気や「匂い」に触れることがありました。そのとき、ハッと目が覚めるように、自分の足元に隠れていた民族性に立ち戻るような心地になりました。それほど、日本という自分の「属性」の一部を、現代の日々の中で忘れていたのです。

いま、グローバル化が進む社会の中で、身の回りのあらゆる場面で、日本固有の「らしさ」というものが薄れているように感じられます。特に都会で暮らしていると、昔ながらの日本の風習や物品に触れる機会が少ないような気がします。

国際社会の中心軸である西洋では、一神教の影響を受けた文化が主ですが、日本では、古代から一貫して多神教の文化であり、また「アニミズム」の考え方が主流です。「生き物や道具など、あらゆる存在には同等の魂が宿っている」とし、あらゆる身の回りの「もの」を大切にしてきました。

使い捨てのプラスチックやビニール製品、「替えが効く」大量生産の工業製品に囲まれていると、もはや「もの」は大切にする価値もないように思えてきます。しかし、いま一度、私たちは日本古来の考え方に立ち戻ることで、環境に、何より自分自身の心のために、より良い生活を築くことができるのではないでしょうか。

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