心地よい小鹿田焼のある暮らし

小鹿田焼(おんたやき)は、大分県日田市の「皿山地区」と呼ばれる山間の窯で焼かれる陶芸。「皿山」という地名は福岡県の小石原にも同様にあり、小鹿田焼の兄弟窯として知られる小石原焼とのつながりが地図上でもみられます。

小鹿田焼は小石原焼の陶工を招くことで誕生した窯元であるため、いわば小石原焼の「弟」のような存在。しかし、これら兄弟窯の双方の様式が「化粧掛け」という技法で知られているものの、兄である小石原焼が弟である小鹿田焼の化粧掛けに影響を受けたことではじまったといわれています。

小鹿田焼は一子相伝の家業として受け継がれてきた窯業であり、窯元の総数こそ小石原焼には劣りますが、小鹿田焼の独特の様式や里の風景は他の何にも変え難く、また民芸運動の創始者である柳宗悦をして「世界一の民陶」と言わしめた遺産でもあります。

今回は、民藝ブームにおいて注目されている小鹿田焼について、歴史や様式美などを詳しく紐解いてみます。

0 Shares:
You May Also Like
54720176136aee5642a19b7b391d40a9 画像
続きを読む

常滑焼 – 日本六古窯巡り –

常滑焼(とこなめやき)は、愛知県の知多半島の常滑市で生産される焼きもののこと。1948年ごろに他の5つの産地とともに日本六古窯に指定され、また2017年には日本遺産の一つに認定された、日本の陶芸文化の粋です。 きめ細かな…
c26ad748c6c85139f516f91fc7d4f69f 画像
続きを読む

心地よい砥部焼のある暮らし

せともの、石ものなどとも呼ばれる磁器のうつわは、日本では主に西日本において、17世紀江戸時代初期ごろ発展しました。 起源は16世紀安土桃山時代に朝鮮の陶工たちによる登り窯の開窯、高温焼成技術および磁器の精製法の伝来に基づ…