みなさんは「日本の香り」と聞くと、どのような香りを思い浮かべるでしょうか。
最近では桜や柚子の香りは、外国へのお土産としても人気。また、お線香や、茶席で焚かれるような、雅で古き良き日本を感じさせる香木の香りも思い付く香りではないでしょうか。
現代では自宅でも、アロマキャンドルやオイル、ディフューザーだけではなく、昔からある線香や練香を焚いて香りを楽しむアイテムも見かけるようになりました。
日本では香りそのものを楽しむ文化は絶えずありますが、実は香を焚くということには、いい匂いを起こしたり、良い香りで人を惹きつける以上に意味があるようです。
たとえば、仏教では「香食(こうじき)」といい、香りは故人の食べ物だと考えられてきました。また、桃の節句や菊の節句などの「五節句」では、季節の植物の香りをもって邪気祓いをします。
香は日本の主な宗教行事や風習に欠かせないものであり、神秘的な意味を持ち合わせているのです。
また香りにまつわる道具も、これまでに日本独自の形も生まれてきました。
今回は、日本文化における「香」を工芸と共に学び、心地よい暮らしを探してみました。