季節とうつわ – 啓蟄(けいちつ)-

3月に入り、長かった冬がようやく去っていくころ。寒さに凍えて冷え切っていた土も、春の暖かな雨に解かされてやわらぎ、草木や花々がまた新しく芽吹いたり、つぼみをつけ始めました。

二十四節気の第三番目である「啓蟄(けいちつ)」と読み、冬籠りの虫が這い出てくるころ、という春の季語でもある語。3月5日ごろから春分の前日までの期間であり、春爛漫の一歩手前、くらいの時期です。

ひとつ前の「雨水」にて、春に向けて準備をしていた生き物たちですが、季節が「啓蟄」へと移れば、地中で眠っていた虫たちも活動を再開し、かたく結んでいた蕾も花開きます。

このころには一雨降るごとに暖かくなるといわれ、冬眠から目覚める虫たちとは裏腹に、冬のコートはだんだんとクローゼットに籠るようになるでしょう。

私たちも新生活に向けてはりきる時期ですね。一日ずつ変わる春の気配を感じてみましょう。

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