工芸は、「美術」の作品と同じように飾って鑑賞もできるうえ、実際に使用するという楽しみ方もできます。
また、工芸は、職人や作家など、作り手が積み上げてきた「様式美」という、ひとつひとつの丁寧な手順が生み出す美しさを持ちます。そして、工芸作品を鑑賞するときには、その様式の発祥や、制作方法や工程を知ることで、よりその作品の価値に対する理解が深まるでしょう。
工芸品の見方には、そういった様式に関することや、個人的な好みなど色々な視点や知識により、様々な方向から楽しむ方法があります。そのひとつとして、より「通」の工芸好きなら「習うより慣れろ」ということで、好きな工芸のジャンルは自分で作ってみることもおすすめ。
ものを作る工程を体験することで、作家や職人の仕事がどのようなものかがわかってきます。ものによっては、自分で作らないと分からない技術の凄みも発見できるかもしれません。
このように、工芸には様々な楽しみ方があります。日本は優れた工芸の国ですから、休日に思い立ったら自分の好きな工芸の産地を訪れることもできるでしょう。
それでは、前回に続き、「工芸の楽しみ方」を切り口に、私たちの心地よい暮らしを一緒に探してみましょう。