うつわの個性を楽しむ

作家や窯元がそれぞれの技巧を生かし作り出す焼きものは、それぞれの作風の特徴もさることながら、形の絶妙さや、絵付けや釉薬の雰囲気など、それぞれに魅力があります。

手しごとのうつわを持つということは、今や特別なものを手に入れる感覚の方もいらっしゃることでしょう。

ontowa storeでは、主に普段使いもできるうつわを選び、皆様にご紹介していますが、手しごとの焼きものには、型物、熱転写の絵付けによって大量生産されたうつわと異なり、ひとつひとつに「個性」があります。

手しごとでのうつわには、人と同じで一つずつ個性があります。

たとえば、「貫入」と呼ばれる釉薬のひび割れや自然の鉄分の滲む「鉄粉」など、作家が緻密に作り出すものとは異なる偶発的な模様があります。

このような「個性」を手にした方の中には、もしかしたら、このうつわの持つ「個性」を、欠陥だと思われてしまうかもしれません。

偶然現れるこうした「個性」は、好みにあうか合わないの対象にもなるでしょうが、そのうつわの良さ、面白さを味わう機会を私たちに与えてくれるもの。

私たちは、機能面での実用性を確認の上、偶然にうつわに現れた「個性」について理解、尊重しながら検品し、販売しています。

それは、自分と異なる個性を持つ他人に対して、「思いやりの心」を持って接していくことと同じで、うつわの「個性」を理解して利用することが、心地よい暮らしに通じるものだと考えているからです。

焼きものに現れる「個性」には、それぞれに名称があります。

今回は、手しごとのうつわが持つ「個性」の特徴から、心地よい暮らしを探してみました。

0 Shares:
You May Also Like
金継ぎしたうつわ
続きを読む

陶磁器が割れたら金継ぎ? – 継ぎの文化 –

焼きもの、つまり陶磁器は一般に「割れもの」ともいわれ、輸送の時には特に注意して取り扱われます。 陶磁器は一度割れてしまうと、二度と元どおりの形には戻りません。そのため、「きっとすぐ割ってしまうから…」と、陶磁器を買うのを…
92fc6d563f3b6cccf68e59499825b23c 画像
続きを読む

心地よい壺屋焼のある暮らし

私たちは、流通システムの進化により、世界中の様々な地方や国の工芸品を自宅で手に入れることが可能になりました。 しかし陶芸は、その土地固有の素材と文化が融合して、特有の作品を生み出す、土着の工芸としての本質を持っています。…