瀬戸、常滑、信楽、丹波、越前と並ぶ日本六古窯のひとつ、備前焼。六古窯の中でも最も古く、平安時代後期の創始であるといわれ、古墳時代に作られていた須恵器(すえき)という土器の流れをくむ、無釉のやきものです。
岡山県備前市周辺に築窯してから、1000年近くもの歴史が受け継がれてきました。
絵付けもない、非常にシンプルな様式の備前焼ですが、薪窯で1、2週間という時間をかけて焚きあげられ、「窯変」という自然の火の効果により、やきものひとつひとつ人の手によらない模様が付きます。
その素朴で奥行き深い美しさから、安土桃山時代の茶人たちの侘び寂びの美学において見出され、茶陶として愛されてきました。
土と火、そして人の手により作り上げられる備前焼は、今もなお人々の心を魅了し続けています。
今回は、この備前焼について、紹介します。
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