着物には「格」があるといわれており、生地に使われる素材や技術が高尚であるほどフォーマルな場で着られます。
しかし、お茶会や会食などに常日頃から出席する訳でもない限り、格の高い着物を着る機会はそう多くないはずです。
むしろ、単純に着物ファンにとっては、普段着としての着物の方が、触れる機会が多いものです。
その「普段の着物」の代表的なものが「織り」の着物。
カジュアルな着物としては、紬(つむぎ)や絣(かすり)のような織りのさっぱりとした趣の着物が好まれています。
紬と絣は、たびたびその違いについて問われることがあります。
紬は先染めの紬糸で織った「布」を指す言葉で、絣は絣糸を使った紋様織や、その「柄」を指す言葉です。
絣は模様に合わせて糸を染めてから織ることで、織られた布の模様が「かすれた」ように見えるため絣と呼ばれます。
紬も絣もそれぞれ違った魅力を備えていますが、今回は絣の織物について紹介します。