「仏教に伝わる七種の宝玉を散りばめたように美しい」ことから、「七宝焼」と呼ばれる工芸品があります。金属を胎とし、釉薬を用いて彩色し、窯で焼き付けることで作られる、色彩と光沢の美しい繊細な細工です。
七宝焼は6~7世紀ごろの古墳時代に大陸からシルクロードを経て日本に伝えられた技法で、西洋から発祥したとされています。歴史は非常に古く、世界最古のものでは古代ギリシャのミケーネ文明のものであるとか。ツタンカーメンの黄金のマスクにも、七宝の技術が用いられています。
美しい工芸品の技術として代表的な七宝焼は、伝統模様や日本画の図法など日本独自の美意識を取り入れつつ発展しました。
今回は、宝石に劣らない美しさを持つ日本の七宝について、ご紹介します。