日本の草木染め

毎朝、身につける衣服を選ぶ時、「何色の組み合わせにしようか」と色のことから考える人も多いのではないでしょうか。爽やかな青いシャツにしようか、清楚な白いワンピースを着ようか、はたまた赤い勝負服でドレスアップしてみようなんて日もあるかと思います。

普段、全くといっていいほど気にすることはないと思いますが、これらの衣服や布製品の「色」は、もともと何の素材から来る色なのかと考えたことはあるでしょうか。今ではムラなく均一な色味に仕上がる合成染料が主流ですが、合成染料がなかった時代にはもちろん、自然の植物の色素を用いていました。

植物の葉や花、樹皮や根などから抽出した染料で布や糸を染めることを「草木染め」といいます。今回はこの草木染めの歴史や材料を紹介しながら、心地よい暮らしを探してみました。

0 Shares:
You May Also Like
d3b8734bebfad23858add8dd53f1caaf 画像
続きを読む

京紫と江戸紫 – 高貴なる色、紫の秘密 –

今から1400年も昔、推古天皇の時代には、日本で初めての位階といわれる冠位十二階が制定されました。最も位の高い冠位は紫色の冠が与えられ、大徳、小徳といいました。 現代ではありふれた色かもしれませんが、化学染料のなかった時…
b14a21739b997f7b9322fc54b26cba0f 画像
続きを読む

朱色のはなし – 辰砂 –

赤い色といえば、太陽の色、そして私たちの体に流れている血液の色です。どちらをとっても、私たちの生命活動には欠かせないもの。赤い色は、古代から日本人にとって重要な色として扱われてきました。 日本文化において代表的な赤いもの…