四国の東部に位置する徳島県。
海、山、川に囲まれた自然と、阿波おどりや遍路の霊場などの精神性を併せ持つこの土地で、およそ250年続く陶芸があることをご存知でしょうか。
大谷焼と呼ばれる徳島県の伝統ある陶芸は、その土地の赤土を使った、どっしりとしつつも寂びの風合いのある民陶のやきものです。
徳島の特産である藍染のための液を保存する「藍甕(あいがめ)」をはじめ、大型のろくろ引きの作品で知られていますが、土味豊かな小型のテーブルウェアも人気です。
木造住宅や木目調のインテリアに注目が集まる今、木の風合いによく馴染む大谷焼の食器や花器も、おしゃれなアイテムとして評判を高めています。
今回は、大谷焼の魅力を掴むためにも、その歴史と特徴について学んでみましょう。