村上木彫堆朱(むらかみきぼりついしゅ)とは、新潟県北部の村上市で作られている伝統工芸品。漆器の中でも、彫刻の施された朱塗の作品が特徴的で、力強くも優美な美しさを誇ります。
村上市は平安時代(8~12世紀)ごろから漆の産地として知られ、また日本本島の北東部は、木地師が良質な木材を求めにくる地でもあります。良質な材料が豊富な村上市で、村上木彫堆朱は城下町の武士の副業から始まり、現在でも天然漆のみを使って職人の手で製作されています。
使うほどに深まるツヤは「月光のよう」と評されるほど淡い美しさを持ち、また朱漆の鮮明さにも惹かれる人が後を絶ちません。
今回は、村上木彫堆朱の魅力について、歴史や技法を詳しく紐解きながら、心地よい暮らしを探してみました。