ノートやコピー用紙など、西洋由来の洋紙を一般的な「紙」と呼ぶようになったのは19世紀の明治時代の頃からですが、元来、日本で使われていた紙は、洋紙とは作りが全く異なるもの。
木の繊維をすり潰したパルプから作った洋紙と違い、和紙は楮(こうぞ)をはじめとした木の皮の繊維が複雑に絡み合い、丈夫で破れにくく、また経年変化しても黄ばむことがありません。
和紙は文字や絵を書き残す用途以外にも、障子や提灯など建具や道具の素材となり、他にも古文書や絵画などの文化財の修復など、和紙にしかできない仕事がたくさんあります。
そのため、和紙は日本のみならず世界中で重宝されているのです。
そして、和紙の中でも日本最古の紙として知られているのが、岐阜県美濃地方に伝わる「美濃和紙」
約1300年前にはすでに美濃国で「美濃紙」という名称で紙が造られていたことがわかっています。
日本の伝統的工芸品というだけではなく、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている美濃和紙は、美濃で生まれた世界の宝ともいえるもの。
今回は、この美濃和紙の歴史や魅力について、ご紹介します。