香川県は、丸亀うちわや讃岐提灯、香川竹細工など、17世紀の江戸時代より数多くの伝統工芸品が発達した地。
瀬戸内海の貿易拠点でもあるため、新しい技術や素材にいち早く触れられる環境で、ものづくりの盛んな地として知られています。そんな香川県を代表する工芸品といえば、讃岐漆器、高松漆器と呼ばれることもある漆芸品の香川漆器です。
香川漆器は、蒟醤(きんま)と呼ばれる代表的な漆象嵌の技術をはじめ、彫りと色漆を駆使した、色鮮やかで奥行き深く、華やかでありながらモダンな印象もある漆芸品。東南アジアから中国を経て伝わった技術を応用し生まれた漆芸の数々は、まさにアジアの漆芸の集大成ともいえるでしょう。
蒟醤(きんま) 、存清(ぞんせい) 、彫漆(ちょうしつ) 、 後藤塗(ごとうぬり) 、象谷塗(ぞうこくぬり)という5つの技法をもって、四国で初の伝統的工芸品の指定を受けた香川漆器。
彫りと塗りの5つの技法は、それぞれが特徴的で個性的な逸品を作り上げ、美術的な工芸品から茶道具、日用品までさまざまなアイテムを生み出しています。
今回は、香川漆器の歴史や技法の特徴について知り、その魅力を掘りさげてみていきましょう。