日本の心 包む文化・結ぶ文化

外国の方からみると、日本の文化は少し風変わりだなと思われる点もあるようです。

たとえば、世界的に活躍する米国アーティストのマシュー・バーニーによる映像作品『拘束のドローイング9』では、日本独特の丁寧なラッピング、「包む」文化について触れています。日本のデパートなどでみられる、包装紙を使って折り紙のように丁寧な手つきで箱を包んでいく様子は、海外では驚かれるほど高い技術なのだとか。

そんな「包む」という行為に関して、日本では特別な心配りがあるのです。

今回は、贈り物を大切に守り、相手への礼儀と気配りを示すこれらの文化から、私たちの心地よい暮らしのヒントを探してみました。

0 Shares:
You May Also Like
続きを読む

心地よい奈良墨のある暮らし

墨という道具は、東洋の文化において、書道や絵画、さらには学問や教育の発展等、重要な役割を果たしてきました。 また、墨の持つ、表し難いような複雑な黒色と、心地の良い香りは、東洋の美学と精神性を象徴するものであり、今なお多く…
続きを読む

彫りと色漆の香川漆器

香川県は、丸亀うちわや讃岐提灯、香川竹細工など、17世紀の江戸時代より数多くの伝統工芸品が発達した地。 瀬戸内海の貿易拠点でもあるため、新しい技術や素材にいち早く触れられる環境で、ものづくりの盛んな地として知られています…
続きを読む

肥後象がん – 武家文化の風雅な金工 –

「象嵌(ぞうがん)」とは、地に模様を彫り、そのくぼみに別の素材をはめ込む加飾技法の総称です。 「象」は「かたちづくる」、「嵌」は「はめ込む」を意味し、木工や陶磁、金工などあらゆる素材の工芸品に用いられ、金工の場合は金や銀…
続きを読む

心地よい南部鉄器のある暮らし

岩手県を代表する伝統工芸品である南部鉄器。鋳鉄で作られた鉄瓶が主として作られており、茶の湯の世界でも愛されてきました。 見た目にもシンプルで、郷土の趣を感じさせる南部鉄器は、心地よいスローライフを実践する人にとっても憧れ…
続きを読む

心地よい西陣織のある暮らし

古都・京都で平安時代以前より育まれてきた絹織物の歴史、その集大成である西陣織。 日本で最高の技術をもって作られる先染めの紋織物であり、日本の絹織物の最先端としての地位を築いてきました。 上代に秦氏により日本に伝えられたと…
続きを読む

保存食と工芸

工芸は、「食」と深く結びついています。工芸品の代表格のひとつである「食器」が、食事を盛り付けるための道具であることを考えれば、明らかですね。 しかし、その食器のなかには、できた料理を盛り付けるだけでなく、食料を腐りにくく…