工芸は、「食」と深く結びついています。工芸品の代表格のひとつである「食器」が、食事を盛り付けるための道具であることを考えれば、明らかですね。
しかし、その食器のなかには、できた料理を盛り付けるだけでなく、食料を腐りにくく長持ちさせるための「保存」の役割を持つものもあります。昔は現代のように冷凍庫も冷蔵庫もありませんでしたから、さまざまな素材を使って食材を「保湿」をしたり、逆に「乾燥」させたり、あるいは「密閉」することのできる道具が生まれました。
それぞれの素材と食材の相性を考えて作り出される道具は、大変合理的であり、高い機能性を持っています。エコロジーの観点でも、改めて見直されはじめています。
今回は、「保存食と工芸」の繋がりについて、昔ながらの日本の道具としての工芸品を紹介します。