工芸の楽しみ方 その2

工芸は、「美術」の作品と同じように飾って鑑賞もできるうえ、実際に使用するという楽しみ方もできます。

また、工芸は、職人や作家など、作り手が積み上げてきた「様式美」という、ひとつひとつの丁寧な手順が生み出す美しさを持ちます。そして、工芸作品を鑑賞するときには、その様式の発祥や、制作方法や工程を知ることで、よりその作品の価値に対する理解が深まるでしょう。

工芸品の見方には、そういった様式に関することや、個人的な好みなど色々な視点や知識により、様々な方向から楽しむ方法があります。そのひとつとして、より「通」の工芸好きなら「習うより慣れろ」ということで、好きな工芸のジャンルは自分で作ってみることもおすすめ。

ものを作る工程を体験することで、作家や職人の仕事がどのようなものかがわかってきます。ものによっては、自分で作らないと分からない技術の凄みも発見できるかもしれません。

このように、工芸には様々な楽しみ方があります。日本は優れた工芸の国ですから、休日に思い立ったら自分の好きな工芸の産地を訪れることもできるでしょう。

それでは、前回に続き、「工芸の楽しみ方」を切り口に、私たちの心地よい暮らしを一緒に探してみましょう。

0 Shares:
You May Also Like
続きを読む

勾玉にこめられた祈り

「勾玉(まがたま)」と聞いて、イメージするのはどんなものでしょうか? 「く」の字をまるくしたような形、紐を通すための穴、つるっとした表面。加えて、それを身につけているのは……縄文人や弥生人の服装をした人物。 歴史の教科書…
続きを読む

花を生ける暮らしの先に

花咲く春の季節には、家の中にも花の彩りを取り入れたくなります。 春に花屋に出回る切り花といえば、チューリップやスイートピー、金魚草など可憐な雰囲気の花が多いですね。 切り花も桜や桃など、薄いピンク色のなんとも春らしい色合…
続きを読む

四国涼しい、丸亀うちわ

日本の夏に使う道具といえば「うちわ」です。特に、伝統的な製法で作られた竹うちわは、プラスチック製のうちわと比べても美的で気品があり、エアコンや携帯用扇風機が流通した今でも、生活用品として注目されているアイテムです。 そし…
続きを読む

日本の夏の風物詩、房州うちわの魅力

千葉県の南房総、かつて「房州」と呼ばれた地に受け継がれてきた伝統工芸品である「房州うちわ」。 丸亀うちわ、京うちわと並ぶ日本三大うちわのひとつであり、全体的に丸みを帯びた意匠が特徴です。 自生する良質な女竹(めだけ)を材…