心地よい石見焼のある暮らし

やきものは、太古の昔から食器や水を汲む容器として使われ、人々の生活の中で発展してきました。

時代を経るごとに、釉薬が生まれてより耐水性を高め、高温焼成の技術が生まれればより強度の高い陶磁器を作れるようになりました。

日本の伝統的な陶器の中でも、特に堅牢性の高さで知られるのが島根県石見地方で作られている石見焼(いわみやき)です。

材料となる地元の都野津層粘土は、磁器のようにきめ細やかで耐水性、対酸性に優れており、高温焼成によって非常に硬質に仕上がります。

石見焼は、まだ水道の普及していなかった時代に「はんど」と呼ばれる丈夫で大きな水甕(みずがめ)を各家庭に送り届けていたことでも有名です。

今回は、この中国地方の伝統陶芸である石見焼について、その歴史や魅力を掘り下げてみました。

0 Shares:
You May Also Like
続きを読む

焼きものの形成方法を知る

陶芸のうつわ、つまり焼きものには、うつわの形を作るための色々な形成方法があります。 例えば、普段目にしているうつわの多くは、「鋳込み形成」と呼ばれる型押しで大量に生産できる方法で作られています。ですが、同じ方法を用いて一…
続きを読む

陶磁器のお手入れ方法アレコレ

作家ものやハンドメイドの陶磁器も、日々の暮らしの中で使っていると、茶渋がついてくるなどの汚れが付着することがあります。 マメなお手入れをすることで、永く使い続けることができます。 作家ものやハンドメイドの陶磁器について、…
続きを読む

焼きものの材料と焼成方法

私たちの日常の食器の中でも最も身近な素材である陶磁器。うつわの形に形成した粘土を窯で焼くことから、一般に「焼きもの」とも呼ばれます。 日本の焼きものは、縄文時代より続く非常に長い歴史があります。安土桃山時代ごろには、茶湯…
続きを読む

信楽焼 – 日本六古窯巡り –

信楽焼は、滋賀県甲賀市信楽町で作られている焼きものです。日本の焼きものの産地はたくさんありますが、信楽焼は最も有名な産地の一つであり、きっと「焼きものといえば?」と聞けば誰もが信楽焼の名を思いつくのではないでしょうか。 …
続きを読む

心地よい薩摩焼のある暮らし

薩摩焼は、鹿児島県薩摩地方で生産される陶磁器です。 その多様なデザインと職人たちの優れた技巧で、国内外に広く知られています。 薩摩焼には、華やかな装飾が特徴の「白薩摩」と、素朴で力強いデザインの「黒薩摩」の二種類がありま…
続きを読む

受け継がれる七宝焼の輝き

「仏教に伝わる七種の宝玉を散りばめたように美しい」ことから、「七宝焼」と呼ばれる工芸品があります。金属を胎とし、釉薬を用いて彩色し、窯で焼き付けることで作られる、色彩と光沢の美しい繊細な細工です。 七宝焼は6~7世紀ごろ…