石川県は、漆器に金箔、九谷焼に紬など、あらゆる分野のものづくりに秀でた、美術工芸の盛んな土地です。
そして隣接する富山県高岡も、石川県と同様に前田家率いる加賀藩による文化奨励をうけ、商工業の町として栄えました。
加賀藩が奨励した美術工芸品の中でも、高岡銅器は「美術鋳物」とも呼ばれる、造形や着色に秀でた銅器です。
四百年余りの歴史を経て現代まで続く銅器の町、高岡は、加工・加飾技術にも優れた日本一の銅器の産地として知られています。
銅器は風雨にさらされても鉄ほど腐食して崩れることがなく、また生活用品においては抗菌作用も持つ、万能の素材。
高岡銅器では特に彫刻など造形物の製作を得意とし、法隆寺や薬師寺の仏像修復・再現をはじめとした日本の仏像や仏具の主流を担っています。
公園や町で見られる銅像やモニュメント、キャラクター像など、全国各地から製作依頼が集う高岡銅器。
あなたの町にも、高岡銅器の作品があるかもしれません。
そんな、意外と身近な高岡銅器の歴史や技術、魅力について、今回は探っていきましょう。