ものには魂が宿る、という考え方があります。
それは、わたしたちが子どもの頃から親しんできた、どこか懐かしいような感覚。
日本人は古くから、自然にまつわるもの、動物や植物、地形や天体などといった万物に魂が宿ると考え、それらを敬い、尊いものとしてきました。
「ご来光」と呼ばれる、高山における日の出の神々しさは、思わず拝んでしまうほど。
また神社やお寺のある、山や竹林の中に佇むと、この世のものとは思えない静かさ、安らかさに感動することも。
それは、たとえるなら「神さまがいるような」感覚なのかもしれません。
特別に信仰しているものがなくても、こうした「自然にまつわるものを敬う心」は、わたしたちの身の回りで多く浸透しているような気がします。
これまでもずっとわたしたちの暮らしと相互に作用し続けてきた万物に宿る神々。
この万物に宿る神は、日本文化に今も深く関係し続けています。
今回は、そんな神々と私たちの暮らしについてのお話です。