社日 – 日本の雑節を楽しむ –

日本には、季節の変わり目を把握するための節目の日として「雑節」という暦日が設けられています。

節分やお彼岸が雑節にあたりますが、「社日」のことはご存知でしょうか?

「しゃにち」と読むこの節は年に2回、春分と秋分に最も近い戊の日(つちのえ=十干のひとつ)がこれにあたります。

令和5年(2023年)の場合は、3月21日と9月26日になります。

春分の社日は「春社(しゅんしゃ/はるしゃ)」、秋分の社日を「秋社(しゅうしゃ/あきしゃ)」といいます。

社日は、産土神(うぶすながみ)=土地の神をまつり、五穀豊穣を願い収穫を感謝する祭日であり、春社は農業を始める日、秋社は収穫をする日としても考えられ、全国各地でさまざまな風習や伝承として伝わっています。

しかし、社日は節分などに比べて、あまり知られていない祭日ではないでしょうか。

今回は、社日の由来や過ごし方、ゆかりのある工芸品について紹介していきます。

0 Shares:
You May Also Like
鯉のぼり
続きを読む

端午の節句 – 日本の節句を楽しむ –

端午の節句、いわゆる「こどもの日」は、毎年5月5日の祝日です。男の子の成長を祝う日として知られ、男児のいる家では鯉のぼりをあげたり、兜飾りを飾ることでお祝いし、大人たちも菖蒲湯に浸かったり、柏餅やちまきを食べることもある…
続きを読む

日本の長寿祝い – 伝統的な歳祝いの習わし –

「還暦のお祝いに、赤いちゃんちゃんこを着て……」 有名人や芸能人の還暦の際、こうしたニュースを見たことがあるかもしれません。 どうして還暦になると赤いものを身に付けるのか、不思議に思ったことはありませんか? これは、「歳…
続きを読む

半夏生 – 日本の雑節を楽しむ –

日本独自の雑節の一つ、半夏生(はんげしょう)は、日本の農作業の目安として独自に生まれた雑節の中でも珍しく、七十二候の「半夏生(はんげしょうず)」に由来しています。 半夏生は、毎年6月22日ごろの夏至から数えて11日目、7…
続きを読む

神社参拝を楽しむ – 運気を整える開運の秘訣 –

皆さんは、どんな時に神社へお参りをしますか? たとえば初詣、お祭り、大晦日などの、暦・季節の境目。 もしくは、合格祈願や健康祈願、安産祈願などの、人生の節目。 神社へお参りをしておみくじを引いたり、お守りを買ったりすると…
続きを読む

八十八夜 – 日本の雑節を楽しむ –

夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る あれに見えるは茶摘みじゃないか 茜襷に菅の笠 この「茶摘み」の歌のフレーズにある「八十八夜」とは、節分や彼岸と同じ日本の雑節の一つです。 2月4日ごろの立春から数えて88日目が…
続きを読む

人日の節句 – 日本の節句を楽しむ –

古代中国から伝わりし風習である「五節句」のなかで、一年のはじめに行われるのが「人日(じんじつ)の節句」です。桃の節句や端午の節句とくらべてあまり馴染みのないもののように思われがちですが、「七草粥を食べる日」といえばきっと…