和紙の材料を知ること – 守りたい伝統の素材 –

綿毛のようにふわふわと柔らかな繊維が絡み合うことで形を成す、美しい「和紙」。明治時代以前の日本では区別なく「紙」と呼ばれていました。

その「紙」を作る材料は、日本に自生する美しい植物です。紙を作るために優れた特徴を持っているだけではなく、実は芳りの良い花や食べられる実のつく、「自然の恵み」という言葉が相応しい、あたたかさや可憐さを感じさせる草木ばかりです。

「製紙のための材料」と考えると、もっと無骨で面白みのない草を連想する方もいるかもしれませんが、その実態はとても魅力的な、自然味あふれる低木や野草なのです。

具体的には、コウゾ、ミツマタ、ガンピ、トロロアオイ、ノリウツギという植物たち。

今回は、昔ながらの日本の製紙に使われるこれらの植物について、どういうものかまとめてみました。

0 Shares:
You May Also Like
曲げわっぱのお弁当箱
続きを読む

工芸品に使われる木 その1

現代、私たちが普段使っている食器は陶磁器のものが主流ですが、明治時代以前は木で作られた「木椀」がメジャーでした。日本は国土の70%もの地域が森林に恵まれた「木の文化」の国であり、縄文時代の古代から現代に至るまで、木を用い…
00198934d0bd6eb33ff5b26075764823 画像
続きを読む

「研ぎ炭」とは何? – 守りたい伝統の素材 –

「漆芸」とは、漆を使った工芸品、およびその技術や分野のことを指します。もっとカジュアルにいえば、「漆器」や「塗りもの」のこと。 漆は、ポリウレタンなどの合成樹脂と違い、天然の樹脂塗料です。抗菌、殺菌性を持ち、堅牢で柔軟な…