陶磁器が割れたら金継ぎ? – 継ぎの文化 –

焼きもの、つまり陶磁器は一般に「割れもの」ともいわれ、輸送の時には特に注意して取り扱われます。

陶磁器は一度割れてしまうと、二度と元どおりの形には戻りません。そのため、「きっとすぐ割ってしまうから…」と、陶磁器を買うのをためらう方もいるかもしれません。

どうしても陶磁器を割るのが怖いなら、壊れにくい木のうつわや漆器のうつわもおすすめ。ですが、たとえ割れたり欠けたりしても、陶磁器を美的に直す方法があります。

代表的なものは、金継ぎです。皆さんも聞いたことがあるでしょう。

習得すれば、簡単なものならご家庭でも陶磁器の修繕ができるようになるので、その方法は知っておいて損はありません。

また、西洋にも、伝統的な独自の修繕法があります。今回は、日本と西洋で、昔からどのように陶磁器を直してきたのかを紹介しつつ、私たちの心地よい暮らしを探してみました。

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