陶磁器が割れたら金継ぎ? – 継ぎの文化 –

焼きもの、つまり陶磁器は一般に「割れもの」ともいわれ、輸送の時には特に注意して取り扱われます。

陶磁器は一度割れてしまうと、二度と元どおりの形には戻りません。そのため、「きっとすぐ割ってしまうから…」と、陶磁器を買うのをためらう方もいるかもしれません。

どうしても陶磁器を割るのが怖いなら、壊れにくい木のうつわや漆器のうつわもおすすめ。ですが、たとえ割れたり欠けたりしても、陶磁器を美的に直す方法があります。

代表的なものは、金継ぎです。皆さんも聞いたことがあるでしょう。

習得すれば、簡単なものならご家庭でも陶磁器の修繕ができるようになるので、その方法は知っておいて損はありません。

また、西洋にも、伝統的な独自の修繕法があります。今回は、日本と西洋で、昔からどのように陶磁器を直してきたのかを紹介しつつ、私たちの心地よい暮らしを探してみました。

0 Shares:
You May Also Like
続きを読む

心地よい砥部焼のある暮らし

せともの、石ものなどとも呼ばれる磁器のうつわは、日本では主に西日本において、17世紀江戸時代初期ごろ発展しました。 起源は16世紀安土桃山時代に朝鮮の陶工たちによる登り窯の開窯、高温焼成技術および磁器の精製法の伝来に基づ…
続きを読む

心地よい萩焼のある暮らし

とろりとした質感の乳白色の釉薬に、ほの赤いざっくりとした素地が特徴の萩焼。 山口県萩市に伝わる伝統的工芸品で、主に茶の湯の世界で高く評価されてきました。 高麗茶碗の伝統を受け継ぐ萩焼は、16世紀の戦国時代から続く茶陶の定…
続きを読む

日本六古窯の焼きもの

太古の縄文時代から現代に至るまで、日本各地で脈々と受け継がれてきた陶芸。 その中でも、平安時代後期ごろにはじまり、今現在も生産が続いている代表的な六つの窯元を「六古窯(ろっこよう)」と呼びます。 その六つの窯元とは、瀬戸…
続きを読む

備前焼 – 日本六古窯巡り –

瀬戸、常滑、信楽、丹波、越前と並ぶ日本六古窯のひとつ、備前焼。六古窯の中でも最も古く、平安時代後期の創始であるといわれ、古墳時代に作られていた須恵器(すえき)という土器の流れをくむ、無釉のやきものです。 岡山県備前市周辺…
続きを読む

受け継がれる七宝焼の輝き

「仏教に伝わる七種の宝玉を散りばめたように美しい」ことから、「七宝焼」と呼ばれる工芸品があります。金属を胎とし、釉薬を用いて彩色し、窯で焼き付けることで作られる、色彩と光沢の美しい繊細な細工です。 七宝焼は6~7世紀ごろ…
続きを読む

宝石のような美しさ、釉薬の秘密

陶磁器など焼きものを特徴付ける、ガラスのような表面を作り出す釉薬(うわぐすり)。 時にはサラッとしたマットな質感であったり、金属のような見た目のものもあるなど、実にさまざまです。 釉薬は、材料をミリグラム単位で調合するこ…