保存食と工芸

工芸は、「食」と深く結びついています。工芸品の代表格のひとつである「食器」が、食事を盛り付けるための道具であることを考えれば、明らかですね。

しかし、その食器のなかには、できた料理を盛り付けるだけでなく、食料を腐りにくく長持ちさせるための「保存」の役割を持つものもあります。昔は現代のように冷凍庫も冷蔵庫もありませんでしたから、さまざまな素材を使って食材を「保湿」をしたり、逆に「乾燥」させたり、あるいは「密閉」することのできる道具が生まれました。

それぞれの素材と食材の相性を考えて作り出される道具は、大変合理的であり、高い機能性を持っています。エコロジーの観点でも、改めて見直されはじめています。

今回は、「保存食と工芸」の繋がりについて、昔ながらの日本の道具としての工芸品を紹介します。

0 Shares:
You May Also Like
続きを読む

津軽塗テーマの映画「バカ塗りの娘」堀田真由さんと小林薫さんが漆と語る鶴岡監督こだわりの制作工程映像が解禁!

こんにちは、工芸と心地よい暮らしを探すメディアontowaです。 映画「バカ塗りの娘」は、当メディアの注目作品として紹介させていただいています。 これまでの記事は👉 映画バカ塗りの娘 また、「津軽塗」のこ…
続きを読む

鼓の調べ

古代から日本に伝わる打楽器の形状として最も古い「鼓(つづみ)」。片腕で抱えられるほど小型の太鼓で、遣隋使の帰還とともに大陸より日本に伝来したといわれていますが、縄文時代にはすでに太鼓を用いた文化は存在していたとも推測され…
続きを読む

工芸とアウトドア その1

いきなりですが、日本の伝統工芸品の中でも、素朴で、小柄で、可愛いらしいもの、魅力的ですよね。豆皿や箸置きのような小物を集めるのが好きな人も、結構多いのではないでしょうか。 その中には、持ち運びができて、人が密集しない屋外…
続きを読む

柔らかく、しなやかな牛首紬の魅力

「牛首紬(うしくびつむぎ)」とは、石川県の南部に位置する白山市で作られている、伝統ある紬です。 牛首紬は特別な蚕の繭を使い、製糸の段階から伝統的な製法で作られています。 紬生地は通常、紬糸と呼ばれる絹糸で織る先染めの織物…
続きを読む

包む文化 風呂敷を楽しもう

レジ袋が有料となった昨今、エコバッグの注目度はますます上がっています。そんな中、昔ながらの日本の道具「風呂敷」の存在にも、あらためてスポットライトが当たるようになりました。 どんな形のものも、風呂敷ならバランス良く美しく…