「もの」と「たま」その2

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日本のアニミズムを代表する神道の理念に基づけば、霊、すなわち「カミ」は全てのものに宿り、樹木や岩石、台所や米粒のひとつにも、尊ぶべきカミが在るとされます。

オカルト話のように、なにか人型の「お化け」のようなものが取り付いているんだよ、というものではなく、ここでいう「カミ」というのは「現象」や「精神」のようなもののこと。

それが具体的にどのようなものかといえば、道具をたとえにするならば、宿るのは「作り手の精神」や「使い手の精神」ともいえるでしょう。

この世にある全ての生き物そして無機物までも、誰かや何かと関わり合いながら、影響を与え合いながら存在しています。その「在る」という現象を起こしている「不思議」のことを、神道では「カミ」というのかもしれません。

その「カミ」を大切にするということにおいては、私たちが日常的に使う道具も、使いすてのものを極力求めず、ひとつのものを出来るだけ長く使い続けたいところです。そのためには、丈夫なものや、壊れても直して使い続けられる、また使い続けたい、と思える素敵なものに巡りあいたいですね。

また、日本には人の道具に対して、特別に思い入れを持っているかのような逸話もいくつかあります。100年使い続けた道具が意思を持ち始めるとか、亡くなった人の道具も一緒に「あの世」に送るとか…。

今回は、生活のなかの道具と関連して、アニミズムの考え方についてお話ししていきます。

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