私たちは、流通システムの進化により、世界中の様々な地方や国の工芸品を自宅で手に入れることが可能になりました。
しかし陶芸は、その土地固有の素材と文化が融合して、特有の作品を生み出す、土着の工芸としての本質を持っています。
地元で採れる粘土や土石類を用いて、その地域の文化と結びつきながら、独自の陶芸品が作られてきました。
これらの焼きものにその土地の食事を盛り付けることで、地域特有の食卓の風景が長年にわたり作られてきました。
沖縄の「やちむん(焼きもの)」は、その大らかな絵付けや、色彩豊かな釉薬が特徴で、独自の魅力を放っています。
その柔らかなデザインや伝統的な酒器は、沖縄の食文化に彩りを添えてきました。
特に、沖縄壺屋地区周辺で作られている「壺屋焼」は、その代表的な焼きもののひとつです。
今回は、壺屋焼が成り立った歴史や魅力について、詳しく紹介していきます。