手仕事によって作られる竹製品が、いま再び注目を集めています。
竹の道具やインテリアは、日本で昔から暮らしの中で用いられてきました。利便性が高く、どのような部屋の雰囲気にも馴染み、さらに環境に優しい点で改めて評価されています。
なかでも、岡山県の伝統的工芸品である勝山竹細工は、材料となる美しい青竹の色艶や質感、力強い造形性だけでなく、使い勝手の良さで重宝されています。
勝山竹細工の魅力は、脱脂や塗りなどの加工を行わない、自然な竹そのものの風合いにあります。
実用性を重視した頑丈な竹細工で、青々とした爽やかな竹の皮の色が、使用するうちに艶やかな飴色に変化していく過程も楽しめます。
特に、伝統的工芸品として指定されている「そうけ」と呼ばれる笊(ざる)は、勝山竹細工を代表する作品です。
今回は、中国山地で生まれた暮らしの道具である勝山竹細工について、その特徴や魅力、歴史を学んでみましょう。