日本には、今ではクリスマスなどによく見られるプレゼントラッピングとはまた違った様式の、贈り物を包む独自の文化があります。慶事や弔辞のご進物を用意したら、剥き出しではなく一工夫加えて包むことで心配りをするものですが、特に「結ぶ」ことに関しては、その結び目に個々の意味やおまじないが込められていることも。
日本では、飾り紐は「水引(みずひき)」と呼ばれています。江戸時代には水引を用いる文化は一般民衆にも普及し、さらに「水引師」という専門職まで誕生するほど、文化的価値の高いものでした。
現在では、水引はすでに結ばれたものが売っていたり、図として簡略化されたものも増え、また結び方を家庭内で教わる機会も減っています。しかし、その結び目の美しさやデザイン性が再評価され、贈答用だけでなく、髪飾りやコースターのような小物のハンドメイドクラフトとしても見かけるようになってきました。
今回は、祈りの心が元になった美しい水引の文化をまとめてみました。水引の歴史や意味、結び方について学び、日々の暮らしに心地よい日本文化を改めて取り入れてみましょう。