日本の季節を二十四に分けた「二十四節気」。その最初の節である立春(りっしゅん)は、旧暦では春の始まりとされています。
新暦にすると2月4日ごろからこの立春の期間となるため、まだまだ冬の寒さの厳しい、春の訪れを待ち遠しく思うころです。とはいえ、旧暦でも立春のころが正月に相当し、一年の始まりやさまざまな節目の区切りとされていました。
「回春」という言葉が、春が巡り新年を迎えるという意味であるように、「春」という言葉は、物事の始まりをも意味するのです。
立春のなかにある七十二候の三つの区分も、生命が活動を再開する躍動を感じさせるもの。またそれぞれの候と季節の喜びを、工芸とともに迎えてみましょう。