青森県を代表する工芸品、津軽塗。
重箱や箸、茶筒などの昔ながらの漆器をはじめ、タンブラーやスマートフォンケースのような現代的な品までそのユニークな技法が活用され、幅広い年代に人気の工芸品です。
津軽塗は国の伝統的工芸品としてだけでなく、その稀有な制作技術が重要無形文化財としても指定されている、一度見たら忘れられない漆器です。
「研ぎ出し変わり塗り」という技法を得意とする津軽塗は、一つの作品につき48もの工程と2ヶ月以上の時間を費やして作られるそうです。
幾重にも塗り重ねられ研ぎ出された漆の層が織りなす幾何学的な模様は、時代を経てもなお新しさを感じさせるデザインであり、現代に至るまで見る者を圧倒してきました。
気が遠くなるような塗りの工程をこなす、非常に手のかかる工芸品にもかかわらず、およそ300年以上もの歴史をたどり私たちの時代へと受け継がれてきた津軽塗は、これまでどのような道を辿ってきたのでしょうか。
今回は、その歴史や製作工程を含め、津軽塗のこれまでの歩みについて紹介します。